腰が痛くなって来院された患者さんから「ヘルニアですか?」と心配そうに聞かれました。
この方にはそれらしい症状は見られませんでしたが、ヘルニアは腰痛を知らない人でも聞いたことはある言葉だと思います。それだけヘルニアと診断されている方が多くいるということですね。テレビでも取り上げられることも多いです。
ヘルニアという言葉には飛び出る(出す)・脱出するという意味があり、本来あるべき場所から飛び出る=ずれている状態のことを言います。
椎間板は背骨と背骨(首から骨盤まで)の間にある軟骨で、中心にあるゼリー状の髄核とそれを外側からドーナツ状に強靭な線維軟骨が覆っています。これが形を変えて体にかかる衝撃や負担を吸収してくれているのです。
原因の一つには老化現象(加齢)があります。椎間板は年齢を重ねていくと徐々に弾力性が失われていきます。弾力性がなくなってくると衝撃に対する柔軟な対応もできなくなり、耐え切れなくなって外側の線維にヒビが入ります。
この繰り返し積み重ねられる衝撃が吸収しきれなくなってきた時、中心にある髄核が線維を徐々につきやぶり飛び出してしまったり、線維の一部が変形して膨らんだりすることで神経を圧迫してしまい嫌なつらい症状が出てきます。
老化現象も大きな原因となりますが、柔軟性がある強い椎間板であったとしても毎日重い荷物を運んでいる、筋トレやスポーツで体を酷使しているなど、椎間板が持つ機能以上の使い方をすれば若い人でもヘルニアになります。
そのため年齢や性別を問わず老若男女に発症します。10代の学生さんでもヘルニアと診断されても珍しいことではありません。なかでも特に20~30歳の男性に多いです。
痛みは2、3日でひいたから大丈夫だと放っておくと、実はヘルニアだと診断されたなんてこともありますので、
痛みを軽くみないで治療することを優先していきましょう!
次回は腰椎椎間板ヘルニアの症状を書きたいと思います。
2015/01/27