腹痛と吐き気は深夜2時頃まで続き、ほとんど寝れていない状態。それでも今日はアンコールワットの朝日を見る為に朝5時にホテルを出発だ。
まだ暗いというのに道路には車やバイクが多い、ほとんどが朝日を見に行く人らしい。中には自転車で向かっている観光客もいる。アンコールワットの入り口付近に設けられたチケット売り場で、まずはワンデーパスポートを買う。2デーや3デーの種類もあるようだ。これを買えばアンコール遺跡群の入場はすべてフリーパスになる。売り場では写真も撮られるので、きちんとした写真付きのパスポートがすぐさま発行となる。これは記念になりそうだ。
そしてラッターさんに連れられて朝日のベストポジションまで向かう。ちなみにカンボジアはこの時期は雨季。朝から曇りがちになる事が多いらしいが、この日の朝は快晴。これはきれいな朝日が見れそうだぞ。
遺跡とジャングルの後方から徐々に太陽が顔を出す。その直前には、赤紫の光が空と水面に映りこみ、幻想的な景色となった。
ラッターさん曰く、「こんな綺麗な朝日は、最近では珍しい!あなたたちラッキーです!」
幻想的な朝日を見終わった後は、一旦ホテルに戻って朝食だ。朝食はビュッフェスタイルで一般的なメニューが並んでいる。
食べ終わった後は、いよいよ本格的な遺跡巡りが始まる。今日一日で象乗り、アンコール・トム、タ・プロム、アンコールワット、サンセット鑑賞、アプサラダンスのディナーとぎっしりと予定は組まれている。
午前8時にまたまたラッターさん登場で観光開始だ。ワゴン車に乗ってまずはアンコール・トムへ。
アンコール・トムは12世紀後半にジャヤバルマン7世によって造営された仏教寺院などが集まった都市です。一辺3キロの環濠と城壁に囲まれた遺跡で見どころも多い。南大門という門から入るとの事だが、ラッターさんが機転を効かし、「今なら象乗り場が空いています。」「先に象に乗ります。」
昼間になると、この象乗りは大変人気で長い列ができるらしい。空いているうちに象に乗り込み、そのままアンコール・トムへ入場だ。
象の背中には人間が座れる椅子が組まれており、乗り心地はさほど悪くない。
象が歩き出すとゆっくりと上下に揺れる。このまま30分ほど象に乗っての移動になった。なんだか中世にタイムスリップした気分である。そして象から降り、バイヨン寺院に入る。
ここは見上げるほど高い54の塔があり、四方には観音菩薩の巨大な顔が彫られているのが特徴です。
ラッタさんの説明を聞きながら、寺院の上層部に向かう途中、私の体調がまた急におかしくなった。熱中症と思しき、めまい、ふらつき、身体のだるさが出てきたのである。連日の睡眠不足に加え、外気温はおそらく35度を超えているであろう。このまま歩いて途中で倒れたりしたら、ツアーのメンバーに多大なる迷惑をかけることだろう。ここは無理せず、この事をラッターさんに告げ、日蔭で休むこととした。観音菩薩を目近で見たかったが仕方ありません。
しばらく休むと体調は回復し、すこし歩けるようになった。ツアーの人達と合流し、次の遺跡タ・プロムを目指した。
タ・プロムは12世紀末に仏教寺院として建立され、後にヒンドゥー教寺院に改修された寺院です。
この寺院の特徴として、ガジュマルの木によって、かなり浸食されているという事だ。その迫力は自然の凄さをまざまざと思い知らされる。
タ・プロームを見終わった御一行は、ここで昼食を挟んで、午後からのアンコールワットへの観光に出掛けます。もうすでに全身汗だくである。少々お疲れぎみのメンバーは、日本人向けにアレンジされたカンボジアの郷土料理を頂いた。
昼食を食べて元気になった後は、いよいよアンコールワットに入場だ。時間はお昼の2時ぐらい、一番日差しのきつい時間帯だ。実は現地人ですらこの時間帯は暑すぎて外にあまり出ない。みんなお昼寝をしているか、屋内でゆっくりしている。うろうろしているのは観光客とその人達を相手にしている商売人ぐらいだ。暑さで、眉間にしわが寄っている私を見て、ラッターさんは日傘を貸してくれました。生まれて始めて日傘をさしましたが、暑さが全然違う!これは女子たちが使う訳だ。日本に帰ったあとも日傘を使いたいと思ったが、オネエと間違われそうなのでやめておこう。
さて、アンコールワットはカンボジアを代表する寺院であり世界遺産である。
大伽藍と美しい彫刻が特徴であり、数あるアンコール遺跡群のなかでもひときわ大きな存在で、カンボジア国旗にもその象徴として描かれています。
日本の城と同じように、周りには環濠があり、水面に映る姿も美しい。
細やかなレリーフが素晴らしい。『ラーマーヤナ』の物語がびっしりと描かれている。
第三回廊の中央祠堂。このような壮大な石造りの建造物が、日本では鎌倉時代にすでに建てられていたのだ。
周囲はジャングル地帯。1860年にフランス人アンリ・ムオーによって発見されたらしい。こんな密林中で見つけたと思うと、さぞびっくりした事だろう。
アンコールワットの造形美を存分に楽しんだ一行は、夕暮れ時を待ってアンコールワットのサンセットを見に行った。見る場所は、そこも遺跡で『プレ・ループ』という。ラッターさんからこの遺跡に関する説明はなかったので大した遺跡じゃないのだろう。それでも建物はでかい。最近、夕日を見るにちょうどいい場所なので人気らしい。
しかし、西の空を見ると雲がかなりかかっている。
「夕日は期待できそうもないですね。」と、ラッターさんは言う。それでも朝日は、ばっちり見る事ができたので良しとしなければならない。
そして本日最後のスケジュールは、アプサラダンスを見ながらのアジアンフードのビュッフェだ。料理ばかり気になって正直ダンスはあまり見てなかったのが悔やまれる。この料理で特に美味しく感じたのは、ココナッツミルクのデザートだ。東南アジアでは、様々な料理に使われる食材で、クリーミーな味わいになる。今回の旅で一番の美味しさだった。
アンコール・ビールが有名らしいが、筆者はビールが苦手の為、コークを注文
ダンスが終わった後の記念撮影。ちなみに踊り子は人形ではありません。
かなりハードな一日で、途中で熱中症にもなりかけ大変だったが、充実した一日でした。明日も遺跡巡りが続くので、今日はホテルに戻ったら早く寝ることにしよう。
スタッフ 國富
《パート3に続く》
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2015/09/07